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「うちの奥さん」に関する備忘録

といっても,うちの奥さんのことを書くわけではなく。

先日「うちの奥さんがウェブをわかる本」というエントリーを見た方から
「『奥さん』は他人の妻を指して言う敬語であって,自分の妻につかうのはおかしい」
という指摘をいただきました。

なるほど,それはそうだ,と思います。

で,「うちの奥さん」で検索をしてみると(「うちの奥さんがウェブをわかる本」が上位に来ていたことはさておき),けっこうたくさんヒットします。

その中で,ぼくが言わんとしていることを代弁してくださっているのがありました。

Toshibon’s Blog : うちの奥さん:

ただ、「うちの奥さん」や「うちの嫁はん」という言い方が一般的になっていくのも、わかるような気がする。みんな自分の妻が好きで愛しくて、そしてちょっぴり怖いのだ。その気持ちを表すには、「妻」じゃ堅苦しすぎてそっけない。「細君」はななんかきざったらしい。今どき「ワイフ」や「ベターハーフ」の横文字もどうかと思う。「家内」なんて差別語じゃないか?。考えてみれば日本語には英語の「honey」「darling」のような夫婦間の親密さを表す言葉がない。松任谷(荒井)由美の歌じゃあるまいし、「マイダーリン」「マイハニー」と呼び合う夫婦は、この日本では稀少だろう。「うちの奥さん」のことばの中には、英語の「my honey」の意味合いが含まれているのではないだろうか。

村上春樹氏も「うちの奥さん」という呼称をつかうことがあるらしいというのを知って,へえとなりましたが,Toshibonさんが書いておられるように,どうも日本語には形式張って堅くならずに,かといって少し照れずに配偶者のことを指す適当なことばがないとぼくも思うのです。
(ちなみに,イギリスにいたときは「my wife」と言っていたけれども,これが英語で言うと不思議と恥ずかしくない。)

それで,間違っているとは思うけれども,なんとなく「うちの奥さん」に落ち着いてしまうのです。

「私の妻がウェブをわかる本」
「我が細君がウェブをわかる本」
「うちの家内がウェブをわかる本」
「わたしの配偶者がウェブをわかる本」
「ぼくの伴侶がウェブをわかる本」
「マイ ワイフがウェブをわかる本」
「マイ ダーリンがウェブをわかる本」

うーん。
そんなわけで,
「うちの奥さんがウェブをわかる本」
に落ち着いてしまうのです。

Filed under: Life

それは終わりの“始まり”かもしれない

なんとも大仰な。

J-SOXによる内部統制は始まりにすぎないビジネススタイル – nikkei BPnet:

2008年4月以降に始まる事業年度から、上場会社は、「金融商品取引法」(金商法)が求める「内部統制報告制度」に則った「統制」を実践しなければならない。

第1回ということで連載記事なのだろうけれど,つっこみどころの多い感じ。

言葉(の遣い方)の問題か,理解の問題か。
内部統制報告制度は統制の「方法」について指示をしているものではないので,

「内部統制報告制度」に則った「統制」

なんてものはない。

次の
J-SOXによる内部統制は始まりにすぎないビジネススタイル – nikkei BPnet:

金商法が定める「内部統制」は、会社法が求める「内部統制」の目的を1つに絞り、実施基準や罰則規定などを具体化したものだ。
会社法が求める「内部統制」には、4つの目的がある。「業務の有効性・効率性」、「財務報告の信頼性」、「法令遵守」、「資産の保全」。

という下りは,ぜひ葉玉先生のブログや
会社法であそぼ。:内部統制システム整備義務(1):

会社法の改正の目玉の一つが,362条5項の内部統制システムの整備義務です。
同項は,大会社である取締役会設置会社においては、取締役会は「取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備(362条4項6号)」を決定しなければならないことを定めています。

岡村弁護士のコラムを改めて読むべきだと思う。
「内部統制=日本版SOX法(企業改革法)」という誤った図式(中):岡村久道 IT弁護士の眼:ITpro:

会社法の条文そのものを検索しても、「内部統制システム」という言葉はおろか、「内部統制」という言葉もまったく使われていない
それに代わり、「取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備」を、株式会社における経営陣の職務としている(会社法348条3項4 号、362条4項6号、416条1項1号)。これが前回述べた会社法にいう「内部統制システム」の正体だ。

(いずれも下線は引用者)

つまり,会社法における「内部統制」(あるいは「内部統制システム」)の目的を条文に則って読むなら,「株式会社の業務の適正を確保するため」で,もちろんこれは,上記4つの目的を包含するものだろうけれども,書き方として適切ではない。

この会社法に,会社法施行規則を併せて考えるとするなら,「内部統制」の目的はこうなる。

・取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理
・損失の危険の管理
・取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保すること
・使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保すること
・当該株式会社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適性を確保すること
(会社法施行規則 第98条,100条,112条)

一方で,当該連載の記者が上げている「内部統制の目的」のオリジナルはもちろんCOSOレポート。
ただし,そこに書かれている内部統制の目的は3つ。
Internal Control – Integrated Framework | Executive Summary:

Internal control is broadly defined as a process, effected by an entity’s board of directors, management and other personnel, designed to provide reasonable assurance regarding the achievement of objectives in the following categories:
・Effectiveness and efficiency of operations. (有効で効率的な業務遂行)
・Reliability of financial reporting. (信頼性のある財務報告)
・Compliance with applicable laws and regulations. (関連法規の遵守)

じゃあ,「資産の保全」は,というと
特集 日本版 SOX : 新法が求めるのは経営管理システムの再確認である 1/3 ページ:

日本版では、構成要素をより汎用的な基本的要素と定義として「IT への対応」を加え、目的に資産の保全が加わった。

ITへの対応」が加わったことの問題は別のエントリーで書いたので割愛。

J-SOXによる内部統制は始まりにすぎないビジネススタイル – nikkei BPnet:

有価証券報告書の数字が果たして信頼できるものなのか。企業は、これまでも行なっていた財務諸表の監査に加え、財務諸表を作成する過程(内部統制システム)と、その運用体制も外部監査人に報告し、監査を受けなければならない。

「これまでも行っていた財務諸表の監査」に内部統制の信頼性(整備・運用状況)の検証は含まれていたはず,というのがぼくの意見であり,そのあたりについても別のエントリーで書いたので割愛するけれども,「財務諸表を作成する過程(内部統制システム)」と括弧書きにするのなら,「財務諸表を作成する過程(決算・財務報告プロセス)」。

参考:「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準のあり方について」(平成17年12月8日 企業会計審議会 内部統制部会)

こういうあたりの理解(あるいは誤解)が「始まりにすぎない」のではないかという危惧はあるものの,次回以降の「さまざまな角度からの識者の意見」を興味深く読もうと思うのでありました。

Filed under: Accounting ,

御所の枝垂れ桜

義父さんから,御所の桜が咲いているというメール。
これはさっそくとばかりに,奥さんと連れ立って見に行きました。

間之町(あいのまち)口から入って,桃林や梅林がある方へ歩いていくと,
なにやら人の集まる気配。
そして,その向こうに,見事な枝振り花振りの枝垂れ桜が!

京都地方気象台の開花宣言が昨日(24日)にあったばかりですが,
ここはよく陽があたる場所なのか,すでに七分咲きを越え,満開の風情。

ぽかぽか陽気の中,しばし花見の風情。

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Filed under: Life, Photo

予防的統制と発見的統制

本当に「プロ中のプロ」と言い得るのか,というところが問題なのかもしれない。

ビジネス法務の部屋: 決算・財務報告プロセスは「統制重視」か「検証重視」か?:

財務諸表監査に伴う内部統制監査については「プロ中のプロ」である監査人も、インダイレクト・レポーティングを前提とした「内部統制報告制度における内部統制監査」にあたっては「初心者」であります。

そして,実はそうでもないぞ,というところに町田教授の研究報告にある「内部統制報告担当者の方々の監査人へ不信感」が表出してくる余地があるのだろうと考えたりする。

Toshiさんは「財務諸表監査に伴う内部統制監査」と「内部統制報告制度における内部統制監査」を分けてらっしゃるけれども,あるいは,この2つを峻別して考えるところが問題なのかもしれない。

実際,2つともやることは同じなわけで,
日本版SOX法の先にあるもの « ノオト|natoiuk:

まず,その会社がどのようなビジネス・業務を行っているかをヒアリングする。
つぎに,ヒアリングに基づいて,それを視覚化するためにフローチャートを作成する。
そして,その業務フロー上に存在する,監査リスク(財務報告が適正でなくなるリスク)をプロットし,それに対する会社側のコントロール(内部統制)が存在するか否かをヒアリングする。
実際に監査を実施する過程では,会社の意図するとおりに内部統制が機能しているかどうか(内部統制の有効性)をテストする。
こうして,内部統制が有効であるということを担保にして,間接的に財務報告の適正性を検証していく。
(とくに重要な項目については,監査人自身が直接にその適正性を検証する)

監査人が財務諸表監査のために作るとされていた,いわゆる「3点セット」を,経営者(会社)側が作ることになったことと,内部統制の評価さえも監査人は直接に行わなくなったことだけが,「財務諸表監査に伴う内部統制監査」と「内部統制報告制度における内部統制監査」の違いといえば違いかもしれない。

ただし,それだけが違うところ,というには監査手法についての留保があるというところは,以前のエントリーに書いたので省略。

それでもなんでも,「悪法でも法である」と対応せざるを得ないのだから,企業の内部統制担当の方々においては,少なくとも防衛線を張っておかざるを得ない。
考え得るすべてのリスクを網羅して,それに対する統制を列挙するというのがもはや合理的な方法ではないというのは明らかだから,自然,Toshiさんが書いておられるところに行き着く。

ビジネス法務の部屋: 決算・財務報告プロセスは「統制重視」か「検証重視」か?:

さてそうなりますと、決算・財務報告プロセスにおいては、その統制活動(たとえば会計処理方針に関するマニュアルの整備、連結グループにおけるパッケージ作成のための研修など)を重視すべきか、検証活動(子会社の財務報告内容の再検証、再鑑など)を重視すべきか、という問題への回答としては、後者、つまり「検証活動」に重点を置くことにならざるをえないのではないかと思われます。

それらしく言い直すと,「予防的統制」と「発見的統制」。
COSOレポートを見ても,予防的統制(潜在的なリスクを予見して統制を敷く)方法に加えて,発見的統制(顕在化したリスク(不正とか誤謬)を適時適切に是正する統制活動)を重視している。

Ongoing Monitoring(日常的モニタリング)やSeparate Evaluation(独立的評価)は発見的統制に相当する機能。
COSOフレームワークにおける統制活動(Control Activities)と監視活動(Monitoring)と上記2つの関係は,多分に入れ子のようなたすきがけのような構造になっている気がして,理解しにくいのだけれど,統制活動の一環として日常的モニタリングがあると考えていいと思う。

そして,内部監査部門なんかのモニタリングが独立的評価(Separate Evaluation)に該当するだろうと。

つまり,「リスクは全部列挙したか?」という監査人に対しては,「適時適切に問題を発見するモニタリング活動を充実させています」と。
ただ,この「モニタリング」というのが,業務に対する理解が必要で,おかしなところを嗅ぎとる感覚が必要で,それを指摘する胆力が必要という点で,難しいのだけれども。

Filed under: Accounting ,

非財務情報融資と動産担保

オブザーバーで出席させてもらっている会計士協会の会合に行ってきた。
今夜は近畿財務局の方が来て,「会計士の立場から,最近の地域金融機関の企業支援の取り組み状況についてアンケートにご協力ください」ということで,1時間ほどヒアリングが行われた。

財務局の方々の話では,最近の金融機関は「地域密着型金融」をはじめとして色々な取り組みをしているとのことだったけれども,個人的には,マニュアル化された定量分析と担保重視の姿勢がやっぱり強いなあと思っているところ。

もっと杜撰な貸し出しもあるようだけれど。

J-CASTニュース : みずほ、三井住友など、岡山の紙卸会社への融資330億円焦げ付き:

岡山市の紙製品卸売会社「伊豫(いよ)商事」(破産手続き中)に、メガバンクなどが計約380億円を融資し、うち約330億円が回収できない見通しであることが分かった。

「コシ・トラスト」紹介融資、三菱UFJ銀も焦げ付き : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞):

三井住友銀行が中小業者に融資した約170億円のうち約100億円が焦げ付いている問題で、三菱東京UFJ銀行でも同じ不動産会社「コシ・トラスト」(東京都渋谷区)の社長らから紹介された中小業者数十社に約60億円を融資し、十数億円が回収不能になっていることがわかった。

金融検査マニュアルや自己査定の厳格化で,投融資に関する金融機関の自由度が低くなり,企業の将来性や技術力を評価できる人材の育成があまり進んでいないのではないか,というのが,感想として挙がっていた。

会計士協会近畿会が2年ほど前に大阪商工会議所と協働して,「非財務情報チェックリスト」なるものを公表している。
これは企業の自己採点だけでなく,融資先に対する金融機関の判断材料のひとつにしてもらおうという意図で作ったチェックリストらしいのだけれど,利用は進んでいないというのが現状のよう。

経産省、動産担保融資に指針借り手保護に配慮 : 経済ニュース : マネー・経済 : YOMIURI ONLINE(読売新聞):

経済産業省は、企業が在庫商品などの動産や売掛金を担保に金融機関から融資を受けることができる「ABL(アセット・ベースト・レンディング)」の指針案をまとめた。
(中略)
指針は、貸し手と借り手の双方が安心してABLを利用できる環境を整えることが目的だ。指針案は、〈1〉貸し手による担保価値の算定が難しい場合は、外部の独立したコンサルタント(評価会社)を活用して客観的に評価する〈2〉貸し手が担保処分する際はできるだけ良い条件で処分する――など借り手保護に配慮した内容になっている。

経済産業省が発表したこのガイドラインが有効活用されて,動産担保融資の動きが広がるか,注目しようと思う。

経済産業省:ABLガイドライン

Filed under: Economy

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