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それはアートかもしれない

大岡裁きを期待しているわけではないけど。

旧カネボウ株「適正価格」で対立 : 金融ニュース : マネー・経済 : YOMIURI ONLINE(読売新聞):

旧カネボウが2006年に行った自社株の買い取りを巡り、個人株主ら約530人が東京地裁に「適正な価格」の決定を申し立てている問題で、近く地裁が判断を下す。M&A(企業の合併・買収)で、少数株主から株式を買い取る価格がここまで徹底的に争われたケースは、今まで国内ではなく、市場関係者は地裁の判断に注目している。

三方相対立するという点で,非常に興味深い。

なにが適正かを判断するのは,難しい。ましてや将来の見通しを織り込むとなると,そこに主観性を差し挟まずにすませないから,「適正さ」を客観的に判断することはほとんど不可能だろう。

このケースでは,会社法にいう「公正な価格」をめぐって,旧カネボウ側の提示額162円/株と旧株主側の主張1,578円/株と,裁判所が選任した鑑定人の鑑定結果360円/株が鼎立している。

それぞれの評価がどのような論拠でなされているのか,個人的に興味があるところ。
それにしても今回の鑑定人はなかなかに荷の重い仕事をされたことだ。

日本公認会計士協会が昨年公表した「企業価値評価ガイドライン」にはこうある。

鑑定人は、裁判所から、対象となる株式の「公正な価格」が何円であるかの意見を求められる。しかし、「公正な価格」が何を意味するかは法律問題であり、最終的には裁判所が判断することとなる。逆にいえば、鑑定人は、「公正な価格」に関する裁判所の解釈を前提として、その解釈に沿った具体的な金額を自らの意見として述べることになる。

裁判所からの解釈が示されたかどうかは分からないけれど,今回鑑定人が提示した価格が,「公正な価格」解釈の論点のひとつである

「公正な価格」は具体的な事件における両当事者の結論の範囲内におさまるべきか。

に照らして,両当事者(162円と1,578円)の範囲内に収まっていることは感慨深い。

さて,地裁の判断に注目したい。三者のいずれかを選ぶのか,いずれも採らないのか,三方一両損なのか。
あ,鑑定人は損しないか。


企業価値評価ガイドライン” (清文社)

Filed under: Accounting

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