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基準乱立|公会計

Blu-rayとHD DVDは東芝の撤退宣言で,Blu-rayに次世代DVDのスタンダードとしての軍配が上がったわけですが。

東芝、HD DVD事業からの完全撤退を正式発表ニュース – nikkei BPnet:

東芝は,HD DVD規格に基づくあらゆる製品の開発・生産から完全に撤退する。西田 厚聰社長が記者会見で発表した。

公会計も複数の方式が牽制しあっています。

自治体等においては,平成21年度中にも,企業会計の方法に倣った財務書類の作成が求められます。
企業会計の方法に倣った財務書類とはつまり,
・貸借対照表(B/S:Balance Sheet)
・行政コスト計算書(P/L:Profit and Loss statement)
・資金収支計算書(C/F:Cash Flow statement)
・純資産変動計算書(NWM:Net Worth Matrix)
のことですが,この財務書類の作成方法をめぐって複数の方式が並存しています。

「新地方公会計制度実務研究会」報告書には,「基準モデル」と「総務省方式改訂モデル」というのが比較されていますし,公会計制度改革を独自に早くから進めている東京都による「東京都方式」というのもあります。

『地方自治体の新公会計制度の導入に関するアンケート調査』結果|財団法人社会経済生産性本部

90%以上の団体が当面は「基準モデル」を採用せず

というようなアンケートの結果や,日立グループの

日立GP、公会計改革に対応した自治体向け財務会計パッケージを発売|ITpro

日立公共システムエンジニアリング(日立GP)は2月19日、総務省が進める公会計改革に対応した地方自治体向け財務会計ソフト「e-財務」を発表した。二つある公会計改革の実施モデルのうち、新製品は多くの自治体で採用が見込まれる「総務省方式改訂モデル」に対応する。

という動きを見ていると,現場の負荷が少ないと見込まれる「総務省方式改訂モデル」に利があるように思われます。
一方で,日本公認会計士協会などは,「方式の一本化をすべし」という表明をひとまずしつつ,より企業会計の方法に近い「基準モデル」に軸足を置いているような印象を受けます。

そして,

「新地方公会計制度実務研究会報告書」における2つの財務書類作成モデル 第2回 いずれのモデルを採用すべきか|ニュース&ナレッジ 監査法人トーマツ

今後数年間の多くの団体における実践的な取り組みの中で、それぞれのモデルの特徴や課題、メリットやデメリットをこれまで以上に明らかにし、それらを踏まえてあるべき「公会計のカタチ」が議論されるべきと考えるし、またそうあってほしいと願っている。

は正論だけれども,いったんどちらかを採用したら,それは既成事実化して,「あるべき『公会計のカタチ』」の議論はうやむやにされてしまうだろうことが容易に想像できます。

だれとだれが(どの省庁とどの省庁が)張り合っているのかは分かりませんが,Blu-ray vs. HD DVDと違って,このケースがやっかいなのは,合理性という観点からではなくて,メンツとか権益に縛られて議論が迷走するという点でしょう。

なんのために,だれのために企業会計の方法に倣った財務書類を公会計に求めるのかという地平からの合理的な議論をしてほしいものです。
東芝が,次世代DVDのデファクト・スタンダードを握ることによって収益向上を図るという目的に照らしたとき,HD DVDにその見込みがなくなったのだから撤退するという経済合理的な判断を下したように。

Filed under: Accounting, Economy

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