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監査意見の相対性

三洋電機の「過年度決算調査委員会調査報告書」が公表されている。

すでにいろいろなところで言及されているし,ビジネス法務の部屋さんにもエントリーがある。
ビジネス法務の部屋: 三洋電機粉飾疑惑と会計士の判断(その2):

報告内容についてはもう一度読んでエントリーを立てたいと思うけれど,上記ビジネス法務の部屋さんに寄せられたコメントについてひと言だけ。
grandeさんが,

同一事象に対する監査意見が
会計士によって複数ありえるのか
時点の違いによって複数ありえるのか

という疑問を呈されているけれども,それは監査意見の相対性ゆえにどちらもありえるだろうと思う。

監査基準にこうある。

監査人は,監査意見の表明に当たっては,監査リスクを合理的に低い水準に抑えた上で,自己の意見を形成するに足る合理的な基礎を得なければならない。
(監査基準 第四 報告基準 一 基本原則 3)

いわゆる「オピニオン・ショッピング」が起こるのも,そういう相対性に起因するのだろう。

またこうもある。

監査人は,監査報告書において,監査の対象,(中略)を明瞭かつ簡潔に記載しなければならない。(後略)
(監査基準 第四 報告基準 二 監査報告書の記載区分 1)

(1)監査の対象
監査対象とした財務諸表の範囲,(後略)
(監査基準 第四 報告基準 三 無限定適正意見の記載事項)

監査報告書には日付(報告日)も記載する。このように監査範囲と報告書の日付を明らかにするのは,やはり監査意見の時間的相対性ゆえだろう。

(追記)
当該コメントを記載されたgrandeさん自身のエントリーを見ると,
三洋電機 違法配当はどうなるのか? 会計監査人の責任は?:Grande’s Journal:

事実上の「セカンドオピニオン」になっているわけでして、

とあるけれど,Wikiedia「セカンド・オピニオン」によると

セカンド・オピニオンとは、よりよい決断をする為に、当事者以外の、専門的な知識を持った第三者に、求めた「意見」の事。または、「意見を求める行為」の事。

ぼくの理解もこちらに近い。
Wikipediaでいうところの「セカンド・オピニオン」が監査意見にあり得るのか,というのは別の議論になるので割愛。

grandeさんの「セカンドオピニオン」は「hindsight」に近い意味で使われているのだろうと推測するけれども,気になったので。

Filed under: Accounting

One Response

  1. grande says:

    こんばんは、toshi先生のほうでお見かけしまして、こちらを訪問させていただきました。
    大変参考になるエントリーで勉強になりました、ありがとうございます。

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