株主優待券の会計処理

2007-11-29 at 15:18 | In Accounting |

非常にぼくのツボを捉える。あかつき氏のモノの見方というのは,とても参考になる。

ビジネス法務の部屋さんの株主優待券の会計処理(その2)で紹介されている会計士の方に異見を述べるわけではないけれど,「そもそも、株主優待引当金に関する会計処理のルールが明確になっていなかったのがいけなかった」という論は,なんとなく胸裡に落ちてこない。
会計処理のルール(会計原則だとか会計基準)というのは(本来的には),慣習の産物だろうと思うから。
そしてそのルールを適用した会計処理をするかどうかは,経営者の判断になる。
この一連の考え方の流れは,あかつき氏と同じ。

株主優待券の会計処理:引当金計上は必要か? (あかつき財務戦略研究所):

僕が思うに、当面は企業によって引当金を計上したり計上しなかったりというバラバラの状態が続くだろう。会計は一般に事実と慣習と判断の総合的な産物と言われているとおり、ひとつの事実について必ずしも画一的な処理がなされるわけではない。

ビジネス法務の部屋さんで,その後に展開される議論(株主優待券の利用を見積もることは可能か,どのような数値を使うか)は,いかにもな感じでぼくには興味がわかないからパス。
それって結局,会計的自慰行為な気がするので。

それよりも,あかつき氏のこの提議の方が興をさかす。

株主優待券の会計処理:引当金計上は必要か? (あかつき財務戦略研究所):

株主優待引当金を費用収益対応の原則から考えてみると、かなり苦しい理屈ではあるけれど、資本コストの削減ということではないだろうか。そもそもの株主優待の趣旨は、多くの個人投資家を安定株主として獲得することにより株価の安定と流動性を確保しようというものであり、それは自己資本の資本コストを下げようという取り組みなのではないかと思う。

「個人投資家」と「安定株主」という,従来は相反するものというとらえ方をされていたふたつを,「個人投資家」を総体として考えることによって「安定株主」とみなしているところや,そうすることによる「株価の安定」,そして総体としての個人株主間の取引という「流動性の確保」というのは,面白い考えだと思う。

株主優待が資本コストの引き下げ効果があるというところは,できればもう少し理論的な説明がほしいと感じるけれど(ぼくも考えてみよう),株主優待引当金は損益計算のというより,バランスシートの時価評価の問題というところは禿同。

このあたりは,つい先日公表された,米国のSFAS157「公正価値の測定」やIASBの提示する「包括利益への一本化」という論点とも関連があるのだけれど,それはまた別のエントリーに。

2 Comments »

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  1. >株主優待引当金は損益計算のというより,バランスシートの時価評価の問題というところは禿同

    当期の株主に対して発生するものだから、ちゃんと当期の期間費用を計算するという考えで引当計上するものではないんでしょうか?
    株主優待に時価ってものはないのだから、時価評価の問題で捉えるのはどうかなーと思います。

    Comment by katsu — 2007-12-01 #

  2. [...] Posted on 2007-12-01 by uk katsuさんありがとうございます。 先日のエントリーへコメントをいただいた部分について書いてみます。 [...]

    Pingback by 株主優待の会計処理を考える « natoiuk|ノオト — 2007-12-01 #

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