2007-11-29 • 22:36 0
季節がかわる|秋のおわり
• 15:18 2
株主優待券の会計処理
非常にぼくのツボを捉える。あかつき氏のモノの見方というのは,とても参考になる。
ビジネス法務の部屋さんの株主優待券の会計処理(その2)で紹介されている会計士の方に異見を述べるわけではないけれど,「そもそも、株主優待引当金に関する会計処理のルールが明確になっていなかったのがいけなかった」という論は,なんとなく胸裡に落ちてこない。
会計処理のルール(会計原則だとか会計基準)というのは(本来的には),慣習の産物だろうと思うから。
そしてそのルールを適用した会計処理をするかどうかは,経営者の判断になる。
この一連の考え方の流れは,あかつき氏と同じ。
株主優待券の会計処理:引当金計上は必要か? (あかつき財務戦略研究所):
僕が思うに、当面は企業によって引当金を計上したり計上しなかったりというバラバラの状態が続くだろう。会計は一般に事実と慣習と判断の総合的な産物と言われているとおり、ひとつの事実について必ずしも画一的な処理がなされるわけではない。
ビジネス法務の部屋さんで,その後に展開される議論(株主優待券の利用を見積もることは可能か,どのような数値を使うか)は,いかにもな感じでぼくには興味がわかないからパス。
それって結局,会計的自慰行為な気がするので。
それよりも,あかつき氏のこの提議の方が興をさかす。
株主優待券の会計処理:引当金計上は必要か? (あかつき財務戦略研究所):
株主優待引当金を費用収益対応の原則から考えてみると、かなり苦しい理屈ではあるけれど、資本コストの削減ということではないだろうか。そもそもの株主優待の趣旨は、多くの個人投資家を安定株主として獲得することにより株価の安定と流動性を確保しようというものであり、それは自己資本の資本コストを下げようという取り組みなのではないかと思う。
「個人投資家」と「安定株主」という,従来は相反するものというとらえ方をされていたふたつを,「個人投資家」を総体として考えることによって「安定株主」とみなしているところや,そうすることによる「株価の安定」,そして総体としての個人株主間の取引という「流動性の確保」というのは,面白い考えだと思う。
株主優待が資本コストの引き下げ効果があるというところは,できればもう少し理論的な説明がほしいと感じるけれど(ぼくも考えてみよう),株主優待引当金は損益計算のというより,バランスシートの時価評価の問題というところは禿同。
このあたりは,つい先日公表された,米国のSFAS157「公正価値の測定」やIASBの提示する「包括利益への一本化」という論点とも関連があるのだけれど,それはまた別のエントリーに。
Filed under: Accounting
• 12:22 0
老舗の奥深さ
「京都ブランド」の緑茶飲料の中で,日本たばこ(JT)の「辻利」が苦戦しているという記事。
これはきっと,JTのデザイン性のなさが原因だろうと推測してしまう。
「京都ブランド」の効果はいかに? – 日経NEEDSで読み解く:
京都の老舗茶舗と共同開発した緑茶飲料の発売が相次いでいます。日本コカ・コーラは10月に「綾鷹上煎茶」、日本たばこ(JT)は9月に「辻利」を投入しました。京都の老舗メーカーとの提携による商品ではサントリーの「伊右衛門」がペットボトル入り緑茶飲料で2割以上のシェアを獲得しており、各社は京都ブランドの活用による市場への食い込みを狙っています。日経POS情報サービスのデータを使い、緑茶飲料「秋の陣」の最前線を追いました。
どうして,あの有名な茶寮「都路里」ではなくて,「辻利」というロゴにしたのだろうという気がしたので調べてみると,「都路里」は祇園辻利で,JTの「辻利」は辻利一本店らしい。
このあたりも京都らしく,暖簾分けだか何だか知らないけれど,奥が深い感じ。
それにしてもこのボトルデザイン。
先行するサントリー伊右衛門のように,京都嵯峨野の竹林を連想させるデザインを取り入れているものの,ボトル形状そのものは従来のペットボトル。
伊右衛門がボトル形状まで竹を模していたのに比べると,中途半端さが漂うなあ。。。
それでも依然として伊藤園の「おーいお茶」がトップシェア(40%超!)を取っていることを考えると,この記事の主題(と思われる)「(緑茶飲料における)京都ブランドの効果」は,それほど高くないという結論になってしまうのかしらん。
京都の老舗茶舗というと,一保堂さんが控えている。
Filed under: Marketing
2007-11-26 • 21:40 0
文化を創るということ
ジェイミー・オリヴァーの試みも厳しい状況にあるらしい。
asahi.com:シェフの味、生徒「もの足りない」 英で給食離れ – 教育:
英国で政府が給食の質の向上に乗り出したが、かえって給食離れに拍車をかける結果になっている。有名シェフの呼びかけに応えて新基準をつくり、1年前から献立の充実に力を注いだ。健康的でおいしくなったはずだが、「なじめない味」と敬遠されたらしい。
習慣を変えることは,個人のレベルでだって,相当難しいし,根気がいる。
「食べたくなければ残してもいい」という環境で育ってきた子供たちは,好きなものだけを選んで食べるようになるだろうから,彼ら(彼女ら)のその「嫌いなものは食べない」という習慣を変えるには,学校給食だけの取り組みではなかなか続かないのだろうと思う。
ジェイミーの試みは,イギリス人の生活習慣を変える試みでもある,という観点でのサポート・協力が必要なんだろう。
- – - – -
先日,子どもが生まれた友人は,イベントプロデュース会社を経営している。
人生で起こるさまざまなイベント(ライフイベント)において感動を提供すること,そしてとくに「人生最後のイベント」である葬儀において,もっと故人らしさを伝えられるような形を作っていきたいと起業した。
自分はこんなふうに送ってもらいたい ーーー そういう故人の気持ちを実現できるような葬儀を作りたいという試み。
「自分の望む葬儀のカタチ」
これはある意味で,文化を創ることに近いと,ぼくは考えている。
自分の葬儀の話しというのをおおっぴらにすることは,まずないと思う。
縁起でもないし,聞かされる方も微妙な気分になる。
最近は,散骨や密葬というカタチをとることを遺言で残すというひともまれにあるけれども,まだ一般的とは言えない。
多くの場合は,遺族が,「そうであったろう」故人の遺志を尊重することになる。
もっとも実際には,葬儀社のラインアップから選ぶことになるのだろうけれど。
その意味で,多くの葬儀はセレモニーに如(し)かない。
葬儀とは,空しくなる自分から送る,最後のメッセージだと思う。そうであればいいなと,ぼくは思う。
「ENDING NOTEBOOK」(エンディング・ノート)という考えがある。
自分が亡くなったときに,誰に知らせてほしいか,どんなふうに送ってもらいたいか ーーー そんなことを記入して残しておくノートのこと。
これはまさに,メッセージを残す媒体である。
つまり「自分の望む葬儀のカタチ」とは,それを通して,何かを伝えるメッセージだと思う。
これは多分に,彼に影響を受けて考えるようになったことだろう。
ぼくは彼の情熱に対してある種の憧憬を抱いている。彼の真摯さをおおいに尊敬している。彼の行動力を見習いたいと思っている。
だから,新しい葬儀のカタチという文化を創る彼の試みを強く強く応援したい。
彼の試みは,ジェイミーのそれに負けず劣らず,難しく根気のいる作業だろうと思う。
でもだからこそ,彼はそれに挑むのだろうと思っている。そういう男だから。
Go as far as you can see; when you get there you’ll be able to see farther. (Thomas Carlyle)
遠くまで,遠くまで,見遙かせる限り遠くまで行きなさい。そこにたどり着いたら,もっと遠くが見渡せるでしょう。
- – - – -
そんな彼の会社のすぐそばに,こんな施設ができたという記事があった。
ゆとりある「スローな葬儀」を−青山にギャラリー併設の葬儀ラウンジ – シブヤ経済新聞:
ゆとりのある「スローな葬儀にしませんか」——これまでの葬儀の概念を変え、過剰な演出や出費を抑えた新たな葬儀スタイルを提案する新拠点が10月31日、青山・骨董通り近くの一角にオープンした。
Filed under: Life
2007-11-19 • 11:56 0
公認会計士試験の合格発表に思う
11月19日(月曜日),公認会計士試験の合格発表がありました。
本日、平成19年公認会計士試験の合格発表を行いました。
1.試験結果の概要
(1)願書提出者数20,926人
(2)論文式試験受験者数9,026人
(3)論文式試験合格者数4,041人(対前年比933人(30.0%)増)、合格率19.3%
事前に,「今年の合格者数は大幅に増えるだろう」という予想がありましたが,フタを開けてみると対前年比933人増加となりました。
予想通りの大幅増ということでしょう。
日本版SOX法及び四半期決算監査が2008年度から始まります。
また数年内には国際会計基準とのコンバージェンスによって,日本基準にも多くの基準変更が見込まれます。
このような状況にともなって,監査業務量が増大することが確実な一方,実際に業務を遂行する公認会計士数が絶対的に足りないと言われている状況ですので,公認会計士の人員数を増加させることが急務であった(である)と言えます。
他方で,このように公認会計士試験の合格者数を急激に増加させるときにはかならず,「会計士の質の問題がある」という声があがります。
それはそれで正論だろうという気がしますが,個人的な意見では,どうしたってOJTは必要で,その過程で淘汰されていくものだろうと思います。
その意味で,今年のような場合には,同期合格者間での競争が激しくなるのだろうと想像します。
それは実は,就職活動の場ですでに顕在化しているのかもしれません。
近年の合格者増加は,一方で監査法人の求人数を超えているために,希望する就職が叶わないという状況もあると聞きます。
今後はいっそう,公認会計士試験合格>監査法人就職,という道だけではない多様さが確保されていく必要があるのでしょう。
今年,見事合格された方々においては,合格おめでとうございます。
いまは,「不安定な気分」からの解放感を味わってください。今日の空気は特別おいしいでしょうから。
公認会計士の世界は想像よりずっと厳しく過酷で冷淡かもしれません。安泰という状況とはほど遠いかもしれません。
みなさんは自分を厳しい環境に置くことを厭わない方々だと思います。
であれば,このあともたゆまず自己研鑽されて,他者と代替不可能な自分だけの価値というものを身につけられますように。
おめでとうございました。
Filed under: Accounting



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