公認会計士協会の「リスク・アプローチによる監査の手引」研修会というのに参加。
東京会が中規模・小規模監査法人がリスク・アプローチを実践するために作成したという
監査調書のひな形についての説明を受けてきました。
時事ドットコム:監査の水準向上に努力=公認会計士・監査審査会長:
金融庁の公認会計士・監査審査会の金子晃会長(元会計検査院長)は2日、記者会見し、カネボウやライブドアなどの粉飾決算事件への公認会計士の関与に関連して「(会計士や監査法人のこれまでの業務が)全体として満足できるかとなると、必ずしもそうではなかった」と指摘した。その上で、今後の活動について「(任期中に)監査水準の向上を確認できるところまで持っていきたい」と強調した。
先日,監査審査会が,麹町監査法人に勧告を出していますが,改善勧告のポイント2
リスク・アプローチに基づく監査計画の立案が不十分、不適切であるなど監査の基準に準拠していない手続きがみられる監査業務があるほか,(後略)
というのはおそらく,いわゆる大手監査法人以外のほぼ全てに当てはまるのではないかと思いました。
なぜって,研修のいちばん最初のことばが
「監査基準を満たす監査手続きは,リスク・アプローチ以外にないことをご理解下さい」
でしたから。
上場会社監査事務所登録制度も始まりました。
監査の適正化による不正の抑制というのが
社会の要請であるなら(期待ギャップの問題はあるけれど),
監査の品質管理の厳格化は必要な手順でしょう。
一方で,実質問題としての,品質水準の維持可能性を考えた場合に,
中小規模監査法人では難しいと考えざるを得ないなあと,感じました。
考えられる流れとして何があるのかと想像すると,
- 中小規模監査法人の監査からの撤退
- 中小規模監査法人の大手監査法人への吸収
- 中小規模監査法人同士の合併
- 監査法人制度の発展的解消による新たな制度の構築
その昔,会計士は「先生,先生」でした。
もはや監査業務は「先生しごと」ではありません。
合理的に考えて,有限責任制の余地が残されているとはいえ,
監査業務のリスクの高さを考えると,
監査業務を続ける会計士には,地位とか報酬というインセンティブではなく(それ以上に),
相応の社会的使命を果たすという大義に応える高邁な精神が必要だろうと思うのです。
そして,自分には無理だなあと,つくづく嘆息するのです。
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